ちゅっと瞼を掠める様に口付けを施すと、ヒクリと震える体。華奢な躯を抱き締めれば、小さな声で名前を呼ばれる。
「ん?どしたの?」
「何か…怒ってんの?」
「別に怒ってなんかないけど?」
正直言ったら、怒ってはないけど気に入らないんだよね。一目見て気に入った子を簡単に竜の旦那に喰われちゃってさー。やっぱりちょっと無理してでも連れ帰れば良かったなー、なんて。
ふにふにと柔らかい躯を弄っていると、薄く開いた唇から小さく嬌声が漏れる。思った以上に可愛い声。
「鎖骨、弱いんだ?」
ベロリと一舐めしてから噛み付くと、大袈裟な位びくりと躯が跳ねる。そろりと下半身に手をやれば、軽くだが確実に頭を擡げているそれ。
裏筋の辺りを指でなぞってやれば、押し退ける為の手がギュっと俺の肩を掴んでくぐもった矯正が上がった。
「あッ、」
「敏感だねー♪」
着物の上からくるり、くるりと鈴口を撫でればじんわりと温かい染みが広がって、ちゅくっ、と厭らしい水音が鳴る。
「ふっ、ン…あ、あっ」
パタパタと尻尾が忙しなく動いて、それを握れば見開かれる眸。舌先でチロリと白目を舐めると、「ひゃっ」と甲高い声が上がり、その声に反応していく自分の熱。
「ちゃんの声、ヤラシくて好き」
耳の縁を舌でなぞりながら囁くと「自分だって十分やらしー癖に」と返された。お褒めに与り光栄ですってね。でもまだ言い返せる位の余裕があるってのが悔しくて、ちゃんの熱を思い切り握り込んでやった。
「ぃっ、やぁっ、あぁぁァっ―――」
痛さの所為か、驚いた所為かは定かじゃないけど、ビクビクと痙攣する様な感触に思わず笑みを零した。残念ながら、俺様が強く握ってる所為で吐精は出来なかったみたいだけど。
「あーらら、達しちゃった?ちゃん、もしかして痛いの好きとかそう言う人?」
ぐったりとしている躯をくるりと裏返すと、問答無用に着物を寛げて下帯らしき物を剥ぎ取る。握った手はそのままに腰を持ち上げて膝の上に乗せて固定すると、弱々しい抵抗をされた。
「ここまでして止めちゃったらちゃん、辛くない?」
言葉は返っては来なかったけど、尻尾がゆらゆらと落ち着きなく動くのを見て、ほくそ笑む。
懐から小さな小瓶を取り出して蓋を開けると、ちゃんが振り向いて不安そうな目を向ける。
「大丈夫、痛くしない為の薬だから」
そう言うと安心したのか吐息が漏れた。本当はそれだけじゃないんだけどね。そこまで言う必要は無いでしょ。
クイっと綺麗な桜色をした秘奥に指を当てると、躯が強張る。ゆっくりと捏ね回す様に押し開き、そこに小瓶の口を当てる。
「っ、ン…」
コポ、と小さな音を立てて薬が入りきると溢れない様にと指を入れればキュゥと内壁が締め付けてくる。うん、経験が有るとは言え、やっぱり一回じゃまだまだ狭いね。
トロリとした液体を内壁に塗り込める様にして、解していくと切なげな吐息が耳を犯す。
そろそろ、かな?クルリと回転させながら指を抜くと、ちゃんの視線が物欲しそうに指を追う。薬も効いてきたみたいでいつもの強気な顔がヤラしい顔になっちゃってるよ。
「力、抜いててね」
返事を聞く前に昂った熱を秘奥にゆっくりと埋め込んでいくと、甘い声を上げて背を反らすその姿に眩暈を覚える。
「あ、アっ、…ぁっ」
ズ、と最奥まで埋め込んでその狭さに一息吐く。細い背中に覆い被さると、仔犬の様に鼻を鳴らされる。
「ちゃん、本当に可愛いね」
滑らかでふっくらした白い頬を指で撫でると、赤い舌がチロリとそれを舐める仕草にゾクっと肌が粟立つ。薬が効いてるのもあるけど、意外と淫乱なのかな、この子。
ゆっくりと腰を揺らすとグチグチと薬と体液とが混じった水音が、卑猥に部屋に響き渡る。ゆるゆると腰を動かしていると、それに焦れたのかちゃんの腰が段々と揺らめいてきた。
「気持ち良い?」
「ンっ、あ、気持ち、い…っ、あぁっ!」
その声に、その言葉に、その表情に…ちゃんの全てにカァっと全身の熱が沸くのを感じて、それが自身に直結したのか甘い悲鳴が上がる。
「さ、すけっ…苦しっ、ぃあっ、ふ…っ」
挿入した時よりも少し大きくなった自身でガンガンと最奥を突けばガクガクと揺さぶられる細い躯。痛みも無いようだし、そろそろ本気出しても良いかな…情けない事に、実は俺様も辛かったりするし。
「ひっ、ゃあぁっ!んぅっ…あっ」
グイと尻尾を引っ張ればガクリと躯を支えていた腕が力を失って、尻を高々と上げた恰好になる。がっちりと白く柔らかなそれを掴んで激しく楔を打ち付けた。
パンパンと肌のぶつかる乾いた音と、結合部分から聴こえる水音が耳を犯して、クラリと眩暈が襲った。
「ア、アぁっ、さすっ…もっ、やぁっ…!!」
「達したい?」
未だにちゃんの熱を握ったままの手を軽く動かせばビクンと背が撓る。透明な液がだらだらと溢れていて、擦る度にヌチと手に絡みつく。
「は、もう俺様も限界。達しちゃって良いよ」
「ッ、あっ、はぅっ!ぁ、やっ…あァぁあぁぁぁっ―――…!!」
更に腰の動きを速めて最奥を勢いよく突く。と、同時に熱を扱き上げると、引き攣った声を上げてちゃんは達した。
「っ、」
同時にギュゥッと強い締め付けに促される様に自身の熱を解放すると、それを思い切り奥へと叩き込んだ。