結局。朝方まで騒いで、空が白む頃には二人共出来上がってしまった。
旦那に至っては幸せそうな顔して眠りこけてる。
「ちゃん、ちょっと待っててね。旦那寝かせて来るから」
「え、今日は皆でここで雑魚寝じゃないの?」
くすくすと笑うちゃん。きっと修学旅行とかの気分なんだろうな。
「そうしたいの?」
「うんっ、皆で寝よっ」
リビングは10畳程。下にはカーペットを敷いてあるから、寝れる事は寝れると思うけど…。
あ、机退けなきゃ。
「とりあえず掛け布団とちゃんの着替え、持って来るよ」
「お願いしまぁーす」
真っ赤な顔で楽しそうに笑うちゃんは、綺麗と言うよりも可愛いに近い。まるで子供みたい。
布団と着替えを持って帰って来ると、ちゃんは着替えを持ってトイレへと向かう。
その間に旦那に布団を掛けて、そこ等へんにあったクッションを枕にする。
「これ、佐助君の?」
着替え終えたのか、少しフラつく足で帰って来たちゃんの姿に、俺は一瞬眩暈を覚えた。
流石にサイズが合わないだろうとは思ってたけど、ロングTシャツがだぶだぶで、綺麗な鎖骨から肩のラインまで丸見え。
下は旦那の中学時代の短パン…がシャツで隠れて…あ、Yシャツ一枚が良いって理由がよく解りました。
白くて細い足が、綺麗なラインを描いて伸びている。
「ごめん。やっぱ大きかった?旦那の服のが良かったかな」
「うぅん、大丈夫ー。ありがとぉ」
トロンとした瞳に上気した頬。その上呂律が妖しいときたもんだ。
また、いつかの様に鼓動が速くなるのを感じた。
「とりあえずちゃんも横になりなよ」
「えー、でも後片付け…」
「そんなの俺様がやっとくから良いって、ほらっ」
軽く腕を引いただけで、フラつく彼女は簡単に腕の中に倒れ込む。
「あ、ごめんね」
へらりと笑って彼女は俺の腕から擦り抜けてく。思わず抱き締めそうになったけど、そこは理性で抑えつけた。
「はい、枕」
「ありがとぉ」
くるりと布団に包るはまるで仔猫みたいで。そっと頭を撫でてやると気持ち良いのか目を瞑る。
「おやすみ」
「おやすみなさぁい」
そっと離れて、まるで逃げる様にキッチンへと向かった。
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